学術情報

Elekta製リニアックを用いて、ガントリ・コリメータ・寝台の回転誤差が軸外ターゲットの照射精度に与える影響を精密に評価した報告です。高精度照射向けのWinston–Lutz評価手法を活用した解析では、軸外ターゲットに対するわずかな回転誤差が位置精度にどの程度影響するかが詳細に示され、特にコリメータおよび寝台回転が1 mmを超える偏位を生じさせる重要な因子であることが明らかとなりました。一方で、Elekta装置におけるガントリ回転の影響は比較的小さく、これはターゲットの配置が回転軸に近いものが多く相対的含まれていることが関係していると考察されています。本研究は、TG142で示される±1.0°があくまで“最低限の許容値”であり、高精度照射を実現するためには、より厳密な回転精度管理と定期的なオフアイソセンターQAの実施が有用であることを示唆しています。